あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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政府インターネットテレビって知ってますか?~これはアカンやつや?!~

かるび(@karub_imalive)です。

別のエントリーでインフルエンザのネタを書こうかな?と思っていたら、偶然たどり着いて見つけた「政府インターネットテレビ」。

また宣伝下手な政府がこんなのやってるよ~、と生暖かくチラ見していたのですが、意外にこれ使えそうだぞ?!ということで、今日はこれを少し紹介してみたいと思います。

政府インターネットテレビとは

かるびも最近その存在を知りました。Wikipediaによると、2005年の小泉政権の時代に立ち上げられました。内閣や首相官邸の動きを中心として、各官公庁も含めた政府広報を動画で伝えるためのメディアという位置づけです。

小泉総理といえば、当時からメルマガなども書いていて、ネット系のメディア活用に熱心でしたよね。このインターネットテレビ、今は割と自然なサイト構成になりましたが、昔始まった時は、テレビ画面を無理に模した超ダサいデザインでした(笑)

これです。どどーん。
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「政府インターネットテレビ」11月10日開始 - ITmedia ニュースより

時代性を感じさせるデザインであります。当時はそれほど違和感なかったのだろうか。そして、今はこんな感じ。まぁ洗練されましたかね。

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結構お金かかってる感じです

2005年からもう10年以上運営されていることもあり、安定して淡々とコンテンツがアップされている感じ。でもメンテもきちんとされています。ちゃんと時勢に合わない古い記事は下げられていて、大部分はアップ後1年以内の新しいものばかりです。

短いCMみたいなものもありますが、中には20分位の長編から、なんとオリジナルアニメまであり、結構お金がかかっているように見受けます。

ちょっと面白かったのは、民放の売れっ子キャスターだった徳光和夫、木佐彩子をホストにしたシリーズ物、「徳光・木佐の知りたいニッポン」です。たとえば、この振り込め詐欺啓蒙コンテンツ。

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政府系なのに、なんとも言えない微妙な掛け合いが笑えます。ニコ動だと弾幕必死です。

徳光「なんで騙されるのかねぇ」
木佐「徳光さん、自信ありますか?」
徳光「自信ある。僕はありますよ」
木佐「こういう人が一番危ないんですって」←←←(おぅいきなり突っ込むな)
徳光「そうかい?かみさんはずいぶん騙してますよ」←←←(ええっ?)
木佐「あっはははははっははははは」←←←(政府番組なのに爆笑ww)
木佐奥さんはいいんです」←←←(いいんかい?!)
徳光「奥さんはいいんです(小声)」
木佐「奥さんはいいんですけどねぇ~。(以下略)」

・・・なにこのゆるい展開。

で、これであとはコンテンツに入って行きます。この番組は、旬の話題「振り込め詐欺」についての動画での教育・啓蒙コンテンツが20分間で的確にまとまっていました。さぁ、これで終わりなのかなと思っていたら、最後に徳光さんらしい微笑ましい仕掛けも・・・。

木佐「はい。さぁ、今日の最後の一句をお願いします」
徳光「(フリップをおもむろに取り出す・・・)」

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徳光「(振り込め詐欺犯に向けて)信じるを 知らずに終える サギ人生」

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何が始まるのかと思ったら、いきなりフリップを取り出して、川柳なのか俳句なのかオチがよくわからない微妙な一句で締めとなりました。

と言った具合に、妙なサービス精神で、できるだけ親しみやすいコンテンツづくりも心がけてはいるみたいです。

だけどやっぱり少し残念な感じも

政府系コンテンツなので、あまりやりすぎると「民業圧迫だ!」と批判も飛んで来るのでプロモーションがやりづらいのはわかります。でも、ソーシャルボタン、コメント欄などもなく、画面上からなんとも言えない過疎感がにじみ出ているんですよね(笑)

試しにアクセス数を調べてみたところ、なんとも寂しい結果が。

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えっ、アクセスこれだけ?!

あくまでデスクトップだけの推定値にはなりますが、70,000アクセス/月位しか流入がありません。政府の大本営発表が1日2,500アクセス弱って・・・(泣)ブログ始めて4ヶ月のかるびの素人ブログよりもPV少ないじゃないですか!!

これだけお金かかってるのに月7万PVで、よく2008年に事業仕分けされずに持ちこたえられたなという印象です。(と思ったら、事業仕分けの進捗を政府インターネットテレビで特集してた形跡があった/苦笑)

さらには、ネットではこんな感想なども・・・。

ネーミングがそもそもサギ臭いという意見もあり。お年寄りに配慮して変にひねらず、ストレートなダサいネーミングにしたんだろうと好意的に解釈しときます。

さらには、こんな意見も。

わかる。なんとも言えない人気の無さと廃墟感がどうしてもつきまとうよね。

そして、このディストピア感といえば、どこかで既視感が・・・

・・・

・・・

・・・

そうだった、インパクだ!

2000年~2001年、森総理が進退をかけて(笑)取り組んだインターネット博覧会。結果として、批判と非難ごうごうで、大失敗に終わりました。「官業が慣れないことをやるとまず失敗に終わる」典型的な例となりました。政府内でもトラウマを残した大事業でしたが、なんか、これの名残が感じられるのですよね。

ちなみに、インパクの跡地はこちら。(本体は削除済み。魚拓)

インパク跡地
http://web.archive.org/web/20011201043042/http://www.inpaku.go.jp/index.html

とは言え、役に立つコンテンツもかなりある

かなりもったいない感がある、そんな「政府インターネットテレビ」です。それでも一つ一つのコンテンツは、万人向けの教育系番組として見てみると、よくまとまっているものも結構ありました。最後に、かるびが見た中で、おすすめコンテンツを5つ貼って紹介しておきますね。

1,インフルエンザ特集「徳光・木佐の知りたいニッポン」

今年はこれから本格化しそうなインフルエンザを含めた感染症の予防方法についての詳細な解説。これは役に立ちます。見ておいて、自衛の役に立てたいです。

2,エコドライブの実践動画

動画中で、「今日からできる」「素人でもできる」10個のエコドライブTIPSが紹介されています。これは生活に直結する良いコンテンツ。ガソリン代を浮かせよう。

3,アニメ「めぐみ」

主人公の名前とか、生々しくてそのまんまです。小学校などの道徳の授業とかで使われるのかな。エンディングにオリジナルソングまでついていて、本格的でした。

4,テレワーク特集「徳光・木佐の知りたいニッポン」

労働者側は実現を望んでいるけど、使用者側の意識がなかなか変わらず、実現が進んでいない分野。この番組では、マイクロソフト社のケースが紹介されています。MSええなー。かるびも現会社の社長に何度か直訴したけど、「日本の会社はみんなで集まって働いでなんぼだろう」的な話で相手にもされなかった┐(´д`)┌ヤレヤレ

特に中小企業の経営者全員に見させて、全員へレポート提出を命じたい(笑)

5,消費者庁のテーマソング「おしえてね あぶないカモ」

なんだこの曲は(笑)と思って見てたんですが、消費者庁職員による作詞作曲だそうです。歌詞も曲調もどストレート。一生懸命手作りで作られたその曲は、ダサさを通り越してほっこりしました。

スーパーとかでよくかかっている「さかなさかなさかな~♪」と似たようなノリでしょうか。ちなみにCDは出ていないですが、こちらから楽譜、歌詞、音源を落とせる模様。とりあえずうちの子に歌わせてみようかな。電池とか誤飲しなくなる効果はありそう。子どもを事故から守る!プロジェクト - テーマソングについて

まとめ

官公庁や地方自治体って、時には「民業圧迫だ」と言われながらも良い取り組み・良いコンテンツを無償提供してくれていることが結構あるんです。でも、大抵の場合はプロモーションが弱すぎて、だれも知らない、だれも活用しない、そんな残念な状態で、予算だけが粛々と執行されてコンテンツが密かにアップデートされ続けている。

そんな典型的なコンテンツが、この「政府インターネットテレビ」だと思うんです。アマチュアブロガー並のアクセス数で、もう10年以上安定稼働してきました。でも、少なくとも、7万アクセスレベルのコンテンツではないと思います。

こんなのいらないよ!今からでも仕分けしろ!って言う人も多いと思います。でも、せっかく政府が用意してくれているコンテンツでもあるし、活用できるものは活用して、我々の生活に役立ててなんぼなのかなと思いました。

ネーミングなど、多少スジの悪いところは目を瞑りつつ、政府インターネットテレビ、ブログネタの補強やひまつぶしのウォッチにはおすすめです。

それではまた。

かるび