あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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ブログ「青い日記帳」Takさんにいろいろインタビューしてみた!~新書『いちばんやさしい美術鑑賞』出版によせて~(後編)

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アートブロガーのレジェンド、ブログ「青い日記帳」のTakさんが8月6日、ちくま新書からアート鑑賞入門の決定版「いちばんやさしい美術鑑賞」を上梓することになりました。

新書発売を記念して、アートブロガーのはろるどさん(@harold_1234)、KINさん(@kin69kumi)など共同で、Takさんと、筑摩書房の編集担当・大山悦子さんにインタビューさせて頂いた、【インタビュー後編】をお送りいたします!

こちらが、【インタビュー前編】です。新著出版に関する裏話や苦労話を中心にまとめています。未読の方は、あわせてお読み頂けると嬉しいです。 

後編では、「青い日記帳」ブログ開設秘話やTakさんがアート鑑賞にハマったきっかけなど、Takさんのよりパーソナルな一面を掘り下げたインタビューとなっています!

ブログ「青い日記帳」誕生秘話とは?ブログ運営についてのエピソードも聞いてみた!

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―2003年にブログ「青い日記帳」を始められて15年経ちましたが、最初の方で苦労した話や初期の頃のアートブログ界隈についての印象的なエピソードとかありますか?

Tak(「青い日記帳」Takさん):「ブログ」のあり方も、2018年とは全然違っていたので。タイトル通り、本当に「日記」をつける感覚ではじめました。どうせブログを書くのであれば、毎日書こうかなと思って。気がついたらここまできちゃいました。

誰かに書きなさいと言われたりとか、締切がどうこう、というのだと、なかなか続けるのは難しいと思いますが、なんとなく自分で書こうかなっていう、ふわっとしたスタンスで臨んでいることが、15年間ブログを続けられた秘訣じゃないですかね。

ゆき(Takさんの奥様):とにかくしつこい(笑)あきらめないんです。一回書くって決めたら、もう何があっても書き続ける(笑)すっとこの15年続けてるわけだから、恐ろしい(笑)これをやる!とか絶対言い出さないでほしいなぁとか(笑)言い出したら何があっても通しちゃうから。

―15年前ってブログが出来てきた頃ですよね。ブログ仲間などはどこで見つけられたのですか?

Tak:あっちこっちのブログに遊びに行っては、ブログにコメントをつけまくってましたよね。あとは、掲示板で知り合ったり。その感覚は、今の人に言っても伝わらないかもしれないですよね。好きなものをただ書いていただけって感じです。

 ーなぜ、ブログタイトルが「青い日記帳」なのですか?

Tak:元々運営していたWebサイトが「青」が印象的な作家や作品を取り上げたサイトだったので。フェルメールとかセザンヌとか。イヴ・クラインとか。曜変天目も。そこから【青】をブログタイトルとして取って。

ブログの前に、日記帳っていうサービスっていうのがあって、最初はそこで日記を書いていたんです。そこが、「青い日記帳」というタイトルだったんですね。ところが、その日記帳サービスが終了して、代わりに立ち上がってきた「ブログ」へと引っ越したので、ブログに「弐代目・青い日記帳」とつけたんです。(※今回の新書出版のタイミングで「弐代目」はブログタイトルから削除されました)

―今時点で、ブログを書くにあたって、ポリシーなどはありますか?

Tak:重要視しているのは、欠かさないように書き続ける、ということです。あとは、ダメだったことは書かない。もっと皆さんに展覧会に来てほしいので、展覧会を見て、良かったところを重点的に取り上げるようにしています。

―それは、なぜなんでしょうか?

Tak:美術展はなんにも宣伝しなくても人が集まるようなものとは違うので。特にこれだけ娯楽が世の中に氾濫している今、色々な娯楽の中から展覧会を選んでもらうのは本当に大変なので。

大山(筑摩書房の担当編集者・大山悦子さん):Takさんの「良いところを重点的に取り上げる」という書き方は、何より読後感がいいんです。展覧会に行きたいなっていう気持ちにするにはこういうふうに書いたほうが良かったんだなって思います。

私は、展覧会を見る時、面白くないところを見つけていく鑑賞法っていうのはあると思っていたんです。面白くないな、ヘタだなヘタだな・・・と見ていって、良い部分を見つけたときの落差を楽しむ鑑賞の仕方です。どんな凄い作家でもホームランばっかりではないはずですから。たとえば、回顧展をやる時に、作家の初期作品って展示の最初の方に並ぶじゃないですか。習作とか、学生時代に書いていた作品とか。

でもそういう作品って正直出来がよくないですよね。それで、Takさんに執筆して頂く時「ああいうものはすっ飛ばしてみてよろしい」って書いてくださいとお願いしたりね。冗談で(笑)

でも、Takさんはそういう出来の悪い作品には触れず、出来の良い作品を重点的に見て、取り上げていくんです。「いちばんやさしい美術鑑賞」の編集を通して、Takさんのそういった視線が、まさに”展覧会を見る楽しさ”なんだな、と学ばせて頂きました。

仮に、例えば晩年になって作風が崩れてしまったような巨匠の出来の悪い作品があったとして、それを1枚だけ選んだとしても、Takさんならきっと面白いところを見つけて書かれると思うんです。それはきっとその絵の面白い見方なんだと思うんですね。本書「いちばんやさしい美術鑑賞」で提示された鑑賞法を駆使すると、多少クオリティに欠けた絵画でも、絶対面白く見ることができると思います。

―「つまらない」とか書くと、お客さんに足を運んでもらう出鼻をくじくというか、行きたい気を反らせてしまうような気がしますよね。

Tak:そうです。そのとおりですね。

―また、TakさんはTwitterやブログで、作品の内容以外にも「グッズ」や「カフェ」となども積極的に取り上げられますよね。このあたりも、ポイントとして意識されているのでしょうか?

Tak:グッズはやっぱり注目される度合いが違いますよね。ぶっちゃけ、絵画の画像をアップするより、グッズの画像をアップするほうが注目を浴びます(笑)本当によく考えられて作られているので。

―それは展覧会への興味を引くために、一つのきっかけづくりとして話題にされているのですか?

Tak:美術展のことをきっちり(Twitterで)140字で紹介しても基本誰も読んでくれないので。美術鑑賞は、他の娯楽に比べると所詮ニッチな世界ですから。

Takさんはなぜ年間に300、400も展覧会に通うのか?

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―ところで、書籍の帯には、「年間に300、400通うカリスマブロガー・・・」と書かれているのですが、こんなに展覧会に熱心に通われるのはなぜなんでしょうか?

Tak:ただ好きだからです。それに、美術館に行くと落ち着きますよね。先日、(国際フォーラムで7月24日に開催された)フェルメール展の記者発表会に来た際も、せっかく有楽町まで来たんだからということで、ポーラ ミュージアム アネックスと出光美術館に行きましたし。美術館は「非日常空間」なので、行けば行ったで落ち着きますしね。また、あの日とんでもなく暑かったし・・・。(笑)

ゆき(Takさんの奥様):活動してないと調子が悪くなっちゃうんだよね(笑)まぐろみたいだなと。ずっと動いてないとダメなんだよね。

―Takさんは、一つ一つの展覧会にはそこまで時間はかけませんよね。展覧会に来ると、たいていは1時間以内であっさり済ませるような感じにも見えますが、それはずっとそういうスタイルでやっていらっしゃるのですか?

Tak:そうですね。ただ、気に入った作品や展覧会は何回も見ます。短く何回も。
大山:疲れなくていいかもですね。

―ポイントを絞って見るタイプなのですね。

Tak:同じ作品に同じだけ時間をかけるのではなく、流すもの、しっかり見るものと、好き嫌いでもいいのでメリハリをつけるようにしています。

―美術館に着いたら、いきなり見始めないで、一旦展示全体を見て回ってますよね。

Tak:流れを掴めますからね。行けば行ったで発見があって。例えば、先日行った縄文展(※東京国立博物館で開催中の「特別展 縄文」)は、チラシで前もって宣伝されている火焔型土器などの名品も良かったんだけど、目に止まったのは、最初の部屋に置いてあった、赤いうるしの塗られた北海道の縄文土器。それが大発見でした。

縄文時代は、イメージがない世界ではなく、実は色があった世界だったんだ!なんて腑に落ちて。ああいう作品をちゃんともっと取り上げればいいのになって思いました。

Takさんが美術鑑賞にハマったきっかけに迫ってみた!

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―ところで、Takさんは大学生時代に本格的に美術鑑賞にハマったのでしたよね。最初に美術館に通い始めたきっかけを教えて頂けますか?

Tak:大学の授業中に、教授が、せっかく東京の学校に来てるんだから、たくさんの文化に触れなさいと。東京には、世界がうらやむようなコンサートやオペラとか絵画とかいろんなものが集まってきているから。だから、時間のある学生のうちに見ておきなさいって言われたんですね。大人になったらそんな時間はないんだから、って。

いくつかピックアップした中で色々試しました。ただ、コンサート、映画、オペラ、歌舞伎などは、時間が決まってるんですよね。その点、美術鑑賞だったら、展覧会がオープンしている時間なら好きな時間に行ける。それと好きな感覚で見れる。映画館だったら決められた時間に行って2時間とか座って見てなければいけないですけど、美術の場合は好きな時間に来て好きなテンポで見れる。それが、多分自分にはあっていたんだと思います。

―学生時代、Bunkamura・ザ・ミュージアムに欠かさず通ったっていうエピソードがありますよね。

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Tak:それは大学(※國學院大學渋谷キャンパス)が渋谷にあったから。当時は、Bunkamuraが年間パスポートを発行していて。見始めたばっかりなので、とりあえずやっている展覧会は全部見ようと思って。年パス買えば、いくらでも好きな時に何回でも見れますし。でもそこで(西洋美術とは全然関係がない)織部焼とか知ったんですよね。あと写真の展覧会とか。当時の自分の感覚では、自分じゃ絶対お金払って見に行かないような展覧会でも見に行きましたし。

―だからこその年パスの威力ですね。

Tak:そうですね。色々見ていくうちに、印象派が好きになったりだとか。好きな作家が見つかると、その作家が展示されている展覧会に行ってみようだとか。

―Takさんの美術鑑賞の経歴の中で、Bunkamuraでの経歴って結構重要ですね?

Tak:重要ですね。あと当時はデパート展が結構あったんですよね。新宿伊勢丹とかにもあったんですよ。今のMEN’S館になっちゃったところとか。小田急百貨店で「シスレー展」とか普通にちゃんとした展覧会としてやっていたんですよ。都心のデパートや百貨店でやっていた展覧会は入場料が安かったですよね。

―学生時代というと30年前ですよね?とすると、現代アートとか全盛期でしょうか?

Tak:池袋のセゾン美術館とかも、年パス買って、現代アートの展覧会には通いましたね。デザイン系や建築系の展覧会も多くやってましたね。

―その頃もほぼ毎週行っていた感じですか?

Tak:そうですね。暇さえあれば。ただ、今みたいに300、400ほどは行ってなかったです。時間の空いた時くらいでしょうか。昔はどこでどんな展覧会をやっているのか、今みたいに調べる術がなかったんですよね。情報源がチラシとか「ぴあ」か「Tokyo Walker」か。当時「Tokyo Walker」ではたくさんある展覧会の中から、厳選してこれとこれがオススメっていう書き方をしてくれていました。それで、目についたものを全部行くようにして。

―当時の情報源は雑誌がメインだったのですね。

Tak:雑誌でしたね。
大山:新聞とかもありましたね。日曜版とか。

―当時と今では展覧会の数なんかも違うんですか?それとも、東京では昔からこんなに展覧会があったんですか?

Tak:ありましたね。昔から。行列ができて大混雑する展覧会もありましたよね。国立西洋美術館の「バーンズ・コレクション展」とか。(※日本の美術展の中で、100万人以上の来場者を集め、過去最大級に混雑した展覧会のうちの一つ)

―たくさん見て、美術鑑賞の目が養われたのですね。

Tak:でも、本も読みましたよ。本も好きでした。

―確かに、新書の中でもかなりの本を引用されていますが、Takさんにとってのバイブル的な本はありますか?

Tak:大学生の頃に手に取って感銘を受けたのが、赤瀬川原平「名画読本」シリーズです。これは、結構好き勝手に書いてあって、あ、美術作品って、こういうふうに自由に見ていいんだっていうのを、その本で知りました。

オススメの展覧会や美術館も聞いてみた

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―今まで見た展覧会の中で、一番良かった生涯ベスト展覧会を教えて頂けますか?

Tak:相当悩みましたが、以下の5展ですね。

「杉本博司展」森美術館 2005年
「若冲展」相国寺 2007年
「ハンマースホイ展」国立西洋美術館 2008年
「江戸の幟旗展」松濤美術館 2009年
「東山御物の美」三井記念美術館 2014年

―日本美術系が多いですね!では、ここ数年で見た展覧会だといかがですか?

Tak:2018年8月現在、奈良国立博物館で開催中の「糸のみほとけ展」です。通常、仏像は「のみ」で削り出して制作しますが、あれは縫い付けて作り上げてるのでちょっと異質な感じがするんです。一つ一つ気持ちがこもっていて、積み上げていく行為で、宗教的なものを作ると、やっぱり熱いですよね。これは観に行ってよかったですね。

―読者にオススメの、今一番好きな美術館を教えて頂けますか?

Tak:東京・上野の国立西洋美術館ですね。企画展・常設展・建物なども含め、総合的に安定したクオリティですよね。美術館の中の空間も非常に見やすいですし。大学生だった時、先生から言われて、じゃあちょっと美術館行ってみるかなと思って最初に行ったのが、上野だったこともあります。

―Bunkamura同様、国立西洋美術館はTakさんの原点なのですね?

Tak:はい。とにかく学生時代は上野へよく通いました。その反面、六本木にはアート関連の施設が何もなかったですね。ヤバい外人しかいなかった(笑)

―今、一番注目しているアートのジャンルはありますか?

Tak:日本美術ですね。中でも、丁寧なものに注目してみたいですね。そんなに馬鹿みたいに作りこんでなくてもいいんです。線の1本が丁寧に引いてあるのが感じられるような作品がいいですね。工業製品とは違うので、流れ作業でざっざっと作ったものとは違ったものに見応えを感じます。先日の奈良国立博物館「糸のみ仏展」を見てからずいぶんそういうふうに思うようになりました。

編集・大山悦子さんにも、せっかくなのでいろいろ聞いてみた

―まず、伺ってみたかったのが価格面についてです。今回「いちばんやさしい美術鑑賞」の定価は920円で、税込み1000円を切る絶妙の価格に収まりましたよね。これは、敢えて1000円の大台に行かないように苦心して調整されたのでしょうか?

大山:そうですね。1000円を超えると、買ってくれなくなると思います。新書は簡素な作りの本なので、1000円は超えたらダメだろう、という考えはありました。もちろん、分厚い新書ならば話は別ですけどね。今回、本当は900円も切りたいなと思ったんですけど、それはまぁ、口絵代と思って下さい。

―ページ数とかカラー印刷部分によって、値段が上下するのですか?

大山:そうです。

―筑摩書房の新書って1000円以上の作品が少ないんですか?

大山:少ないです。ないことはないですが、非常に少ないです。一部のカラー新書では、1000円を超えてきます。

―新書の「厚さ」も、売れ行きに関係ありますか?

大山:あります。重たい本とか厚い本は読めないから・・・実は、本作はちょっと厚いんです(笑)どんなに広末涼子のエピソードの部分を切ってやろうかと思ったか・・・(一同爆笑)

―Takさんの作風についてはどんな印象をお持ちですか?

大山:Takさんと打ち合わせしていると、普段は結構毒舌なんです。展覧会やアーティストなど、面白おかしく斬っちゃう(笑)でも上がってきた文章を見ていると、すごくアーティストや作品のいいところを探して書いていらっしゃるのです。やっぱりアート鑑賞っていうのは作品への「愛」がなければだめなんだなということをすごく今回の仕事から私は学びました。やっぱりね、人が悪いのはだめですね。

―ところで、最近アート系の書籍がビジネスの文脈で販売され、ベストセラーもいくつか出ていますよね。これに関して、何か思うことなどありますでしょうか?

大山:ビジネスに携わる人でも、ビジネスそのものだけでなく、歴史や文化を語らなければいけないっていう流れは確かにきっとあるんだろうなっていう感触はあります。だから美術を語るだけでなく、日本文化を語ったり、美術を通して外国の文化を知っていくっていうことが求められているのかなとは思います。

そういう意味で、ビジネスマンは、すぐに現場で使える知識がほしい人たちですから、恐らく美術はとても受け入れられやすいポテンシャルがあるのだろうと思います。だからビジネスとアートっていうのは文脈的に非常に親和性があるんじゃないかなと。

―美術史って全てを含んでいるようなジャンルですよね。

大山:美術などの啓蒙的な知識って、新書との親和性が強いと思うんですよね。だから今回新書という媒体を選ばせてもらいました。高橋館長の本(※ちくま新書/高橋明也『美術館の舞台裏』)もそうなんですが、世の中の仕組みを美術から見ていくとどうなのか、というジャンルは、割りと読者がいるジャンルなんです。

恐らく書店に行かれると気づかれると思うんですが、美術書のコーナーって書店の誰も行かないようなひっそりしたところに、超ロングセラーみたいな書籍と、画集みたいなものと、ちょっと美術の読み物みたいな物が置いてあるっていうのが現状ですよね。でも、そういうところだけに置かれていても、やっぱり本は売れないと思うんですよね。

そうじゃなくて、もっと教育の話だったり、日本経済の話だったり、そういう書籍と同じ場所でに新書として美術の本が置いてあるっていうほうが、ずっとみんな読みやすいと思うんですよね。美術はこれからはそうやって読んでいきたいジャンルだと思います。

インタビューの締めくくりに、読者へのメッセージ 

最後の質問は、これ、と最初から決めていました。読者の皆様へのメッセージです。

―最後に、是非「いちばんやさしい美術鑑賞」読者へのメッセージをお願いします。

大山:これを読んで、一人でも多くの人に美術館に行ってほしいなぁと。作品を見る面白さをみんなでもっと語り合いたいなぁと思います。
Tak:この本が、一つのきっかけになってくれればいいなと。これの見方は正しいとか、正しくないとか、これをしなくちゃいけないと強制的なものではなくて、こんなふうにしたらいいんだよ的な感じで書かせて頂きました。もちろん、100%真似する必要は全然ないんですけど、この本を読んでもし面白いなと思ったら、まずは、是非展覧会に出かけていって、絵の前に立って見て下さい!

まとめ

前後編、約18000字でお送りした特大ボリュームのTakさんへのインタビュー、いかがでしたでしょうか?Takさんの美術鑑賞やブログでのこだわりや思い、そして著作「いちばんやさしい美術鑑賞」制作の舞台裏をまんべんなく聞いてみました。

もし、インタビューに掲載されたトピック以外でも「Takさんに改めて何か聞いてみたいな」という人は、是非Twitterで「#いちやさ美術」とハッシュタグをつけて、Takさんに質問を投げかけてみて下さいね。きっと回答をくれると思います!

最後に、インタビューを通して強く感じたことを書いておきます。いちばん印象的だったのは、「アート鑑賞はそれほど難しく考える必要はない」ということです。

まずは絵の前に立ってみて、今の自分でできる限り、色々考えたり、感じ取ってみたりする。そのうえで、気が向いたら作品や作者のことをちょっと深く調べてみる。まさにそのプロセスを30年繰り返してきたことで、今のTakさんが形作られてきたわけです。

今回インタビューを実施したきっかけになった書籍「いちばんやさしい美術鑑賞」では、そんなTakさんが30年間かけて培ってきた、誰でも実践できる美術鑑賞のコツや考え方が満載です。是非、手にとって読んでみてくださいね。

それではまた。
かるび

ブログ「青い日記帳」主宰Takさんと著書の紹介

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今回インタビューさせて頂いたブログ「青い日記帳」のTakさんですが、新書裏表紙に記載されているプロフィールを引用して紹介しておきますね。

1968年生まれ。1990年國學院大學文学部文学科卒、Tak(タケ)の愛称でブログ「青い日記帳」を主宰する美術ブロガー。展覧会レビューや書評をはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する。他にも東京都美術館やブリヂストン美術館の公式サイト、goo「いまトピ」、朝日マリオン・コム「ぶらり、ミュージアム」、など多くのメディアにコラムを寄稿。ギャラリーや書店、カルチャーセンターでのトークショーも多く行っている。

まぁ早い話がアートブロガー界のイチロー的な存在の方です(笑)

 「カフェのある美術館」 「フェルメールへの招待」などいくつかの著書を初め、各種雑誌への寄稿やトークショーも頻繁に開催するなど、まさに今ブレイク中のすごい人なんです。

▼青い日記帳・Takさん近影
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そんなTakさんの活動をフォローするなら、TwitterでTakさんのアカウント(@Taktwi)をフォローするのが一番早いと思います。ブログの更新状況や活動報告なども積極的に発信されています。

Kindleもある!最強のアート入門書「いちばんやさしい美術鑑賞」

30年間、展覧会に通い続けて独自のアート鑑賞ノウハウを身につけてきた「青い日記帳」Takさんが、日本国内で見ることができる和洋15点の作品を通じて、美術鑑賞に役立つ知識やコツを様々な角度からわかりやすく解説。取り上げられた作品もかなり掘り下げて説明されており、知識ゼロの初心者から中級者まで、読めば必ずアート鑑賞に役立つヒントが得られる良書です。(※後日詳細レビュー予定)

発売から2年、未だにじわじわ売れ続けている前著「カフェのある美術館」

前著「カフェのある美術館」も、美術館を見て回る楽しみを増やしてくれました。美術館は鑑賞が終わってからが本番なのです(笑)こちらの書籍について、レビューも書いています。もしよければこちらも見て下さい!